<警察庁>富山冤罪、志布志無罪事件の問題点公表
警察庁は24日、富山冤罪(えんざい)事件と鹿児島県議選買収(志布志(しぶし))無罪事件について、証拠の裏付けが捜査が不足し、長時間、強圧的な取り調べが行われたなどとする報告をまとめた。捜査指揮が不十分だったとも断じた。警察庁は再発防止のため、来年4月以降、全国警察本部に取り調べを監督する「監督担当課」の新設などを柱とした「警察捜査における取り調べ適正化指針」を併せて発表、不適正な取り調べをした場合は懲戒処分の対象になるとした。
警察庁が個別の事件を検証し問題点を公表するのは初めて。2事件の捜査が警察に対する信頼を大きく揺るがしたことが背景にある。
富山事件では、服役後に冤罪と分かった柳原浩さん(40)のアリバイを示す実兄との電話の通話記録があったのに気づかず、現場の足跡が25.5センチ前後と推定されるのに、柳原さんの24.5センチとの矛盾について解明しなかったと指摘。被害者は、凶器がサバイバルナイフでチェーンで縛られたと供述しているのに、果物ナイフとビニールひもによる事件と誤認。供述の信用性の検討が不十分だったとした。
志布志事件では、任意の取り調べが、最長で1日約13時間40分あったり、10日間連続行われていた事実を明らかにした。座っての調べに耐えられない人を簡易ベットに寝かせての調べもあった。さらに、「正直に言わなければ家族も取り調べる」などの言動があり、親族の名前を踏ませた「踏み字行為」も認めた。
「取り調べ適正化指針」は、「監督担当課」を捜査部門ではない総務、警務部門に新設することなどを盛り込んだ。監督の対象となる行為は、(1)容疑者の身体に対する接触(2)直接、間接の力の行使(殴ったり、机をたたいて脅すなど)(3)不安を覚えさせ、困惑させる言動(4)一定の動作、姿勢をとるよう強く要求(5)便宜供与をしたり、申し出、約束(6)容疑者の尊厳を害する言動−−などを挙げた。
さらに全国で約1万1000ある取調室のすべてにのぞき窓を置くことや、深夜や8時間を超える取り調べは、署長らの事前承認を得るとした。【遠山和彦】
◇富山冤罪事件
富山県氷見(ひみ)市で02年1、3月に強姦と同未遂事件が発生。富山県警は同4月、タクシー運転手だった柳原浩さん(当時34歳)を逮捕。柳原さんは懲役3年の実刑判決を受け、約2年1カ月服役した。仮出所後の06年8月、鳥取県警が強制わいせつ事件で逮捕した松江市の男(当時51歳)が氷見市の2事件を自供した。柳原さんは07年10月、再審判決で無罪が確定した。
◇鹿児島県議選買収(志布志)無罪事件
鹿児島県警は03年4月の県議選で初当選した中山信一氏派を捜査。同7月までに、中山氏と志布志市の運動員ら15人を公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕した。13人(うち1人は公判中に死亡)が買収・被買収罪で起訴されたが、鹿児島地裁は07年2月、「強圧的な取り調べがあった」として自白の信用性を否定し、全員に無罪を言い渡し確定した。
警察庁が個別の事件を検証し問題点を公表するのは初めて。2事件の捜査が警察に対する信頼を大きく揺るがしたことが背景にある。
富山事件では、服役後に冤罪と分かった柳原浩さん(40)のアリバイを示す実兄との電話の通話記録があったのに気づかず、現場の足跡が25.5センチ前後と推定されるのに、柳原さんの24.5センチとの矛盾について解明しなかったと指摘。被害者は、凶器がサバイバルナイフでチェーンで縛られたと供述しているのに、果物ナイフとビニールひもによる事件と誤認。供述の信用性の検討が不十分だったとした。
志布志事件では、任意の取り調べが、最長で1日約13時間40分あったり、10日間連続行われていた事実を明らかにした。座っての調べに耐えられない人を簡易ベットに寝かせての調べもあった。さらに、「正直に言わなければ家族も取り調べる」などの言動があり、親族の名前を踏ませた「踏み字行為」も認めた。
「取り調べ適正化指針」は、「監督担当課」を捜査部門ではない総務、警務部門に新設することなどを盛り込んだ。監督の対象となる行為は、(1)容疑者の身体に対する接触(2)直接、間接の力の行使(殴ったり、机をたたいて脅すなど)(3)不安を覚えさせ、困惑させる言動(4)一定の動作、姿勢をとるよう強く要求(5)便宜供与をしたり、申し出、約束(6)容疑者の尊厳を害する言動−−などを挙げた。
さらに全国で約1万1000ある取調室のすべてにのぞき窓を置くことや、深夜や8時間を超える取り調べは、署長らの事前承認を得るとした。【遠山和彦】
◇富山冤罪事件
富山県氷見(ひみ)市で02年1、3月に強姦と同未遂事件が発生。富山県警は同4月、タクシー運転手だった柳原浩さん(当時34歳)を逮捕。柳原さんは懲役3年の実刑判決を受け、約2年1カ月服役した。仮出所後の06年8月、鳥取県警が強制わいせつ事件で逮捕した松江市の男(当時51歳)が氷見市の2事件を自供した。柳原さんは07年10月、再審判決で無罪が確定した。
◇鹿児島県議選買収(志布志)無罪事件
鹿児島県警は03年4月の県議選で初当選した中山信一氏派を捜査。同7月までに、中山氏と志布志市の運動員ら15人を公職選挙法違反(買収)容疑で逮捕した。13人(うち1人は公判中に死亡)が買収・被買収罪で起訴されたが、鹿児島地裁は07年2月、「強圧的な取り調べがあった」として自白の信用性を否定し、全員に無罪を言い渡し確定した。





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